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不倫相手との示談交渉も探偵にやってもらえるのか?
配偶者の不倫が発覚したあと 多くの方が直面するのが「不倫相手との示談交渉をどう進めるか」という問題です。
「慰謝料請求をしたいが直接やり取りするのは不安」
では、探偵に示談交渉まで任せることはできるのでしょうか?
結論から言えば探偵が「代理人として」示談交渉を行うことは原則できません。
その理由は法律で明確に定められています。
浮気や不倫の慰謝料請求の流れとあわせて探偵の役割、弁護士との違い、示談交渉の注意点を法的観点をふまえて詳しく解説します。
不倫慰謝料請求の法的根拠とは
不倫による慰謝料請求は民法709条の不法行為責任に基づきます。つまり、配偶者が第三者と肉体関係を持った場合「不貞行為」とされ不法行為に該当します。
さらに不倫相手が既婚であると知っていた、または通常知り得たと認められる場合だと不倫相手にも共同不法行為責任が生じます。
この不法行為の被害を受けた配偶者は
・配偶者本人
・不倫相手
の双方に慰謝料請求が可能となります。
示談交渉とは何をするのか?
示談交渉とは裁判をせずに話し合いで解決する手続きで、具体的には次のような内容を協議します。
・慰謝料の金額
・支払方法(一括か分割か)
・支払期限
・接触禁止条項
・守秘義務条項
・違約金条項
合意が成立すれば示談書を作成し署名押印を行います。
強制執行認諾文言付き公正証書にするケースもあります。
ここで重要になるのが 「誰が交渉できるのか」という点です。
探偵は示談交渉の代理人になれるのか
結論は「探偵は示談交渉の代理人になれるのか?」ですが原則としてなれません。
その理由は 弁護士法72条にあります。
弁護士法72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。
ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事件の交渉や代理を行うことは弁護士法で禁止されており「非弁行為」といいます。
慰謝料請求の示談交渉は明確な法律事件となり、探偵が依頼者の代理人として不倫相手と金額交渉をすることは法律上できませんし、探偵が依頼者の代理で不倫相手と慰謝料額を決めるなど示談交渉を行えば違法となります。
では探偵は何ができるのか?
探偵の主な役割は証拠収集で浮気や不倫の慰謝料請求では不貞行為の立証が不可欠です。
つまり、探偵の調査によって肉体関係があったことを客観的証拠で示す必要があります。
代表的な証拠としては
・ラブホテル出入りの写真
・キスやハグなど継続的接触の記録
・行動調査報告書
例えば、総合探偵社ガルエージェンシーでは裁判提出を想定した形式で浮気調査の報告書を作成します。
この証拠があることで示談交渉は有利に進みます。つまり、探偵は交渉そのものではなく交渉を有利にする材料を整える役割を担います。
探偵が「交渉サポート」と言う場合の実態
一部の探偵事務所では示談交渉サポートと表現することがあります。
この場合の多くは次のような範囲にとどまります。
・内容証明の作成アドバイス
・示談書のひな形提供
・交渉の流れの説明
・弁護士紹介
依頼者本人が交渉する前提での助言であれば問題はありませんが、探偵が代理人として直接交渉することはできません。
「示談交渉サポート」を行う探偵に契約する際には、どこまで対応可能かを明確に確認することが重要です。
弁護士に依頼するメリット
示談交渉を法的に安全に行えるのは弁護士のみです。
弁護士に依頼すると
・代理人として交渉可能
・法的主張を整理できる
・減額交渉への対応ができる
・公正証書作成まで対応可能
というメリットがあります。
特に、不倫相手が争う姿勢を見せている場合や高額請求を目指す場合は弁護士の介入が望ましいといえます。
探偵と弁護士の役割分担が重要
実務的には
- 探偵が証拠を収集
- 弁護士が交渉を担当
という流れが最も合理的です。
証拠が弱いまま弁護士に相談しても請求自体が難しくなることがあります。
逆に証拠が揃っていれば示談成立の可能性は高まります。
順番を間違えないことが重要です。
自分で交渉する場合のリスク
費用を抑えるために本人が直接交渉するケースもあります。
しかし、感情的対立が激化する可能性があります。
また
・過度な請求
・脅迫的発言
・SNSでの暴露示唆
などをすると不法行為や恐喝と評価される危険がありますので法的リスクを理解したうえで慎重に進める必要があります。
示談が無効になるケース
示談書があっても次のような場合は無効になる可能性があります。
・強迫による合意
・著しく不公平な内容
・公序良俗違反
適切な法的形式で作成することが重要です。
まとめ|探偵は交渉できないが重要な役割がある
不倫相手との示談交渉を探偵が代理で行うことは原則できません。
慰謝料交渉は法律事件であり弁護士のみが代理可能です。
しかし 探偵の証拠収集は 示談成功の土台になります。
不倫問題の解決には
- 証拠の確保
- 法的戦略
- 冷静な交渉
この三つが欠かせません。
示談を有利に進めたい場合は証拠を整えたうえで弁護士に相談する流れが安全です。
感情だけで動かず法的に正しい手順を踏むことが将来のトラブル回避につながります。
詳しくは以下の記事を御覧ください。
