
「浮気の証拠を撮って相手との示談交渉で慰謝料を取れます」という宣伝文句で集客している探偵業者を目にしますが探偵が示談交渉を行なうことは可能なのでしょうか?
探偵が示談交渉を行なうことは可能?
浮気調査や不倫調査などを依頼した後に証拠を得て相手方の身元が判明した場合に「相手と示談したい」「慰謝料について話し合いたい」と考える方は少なくありません。そこでよくいただくのが 「探偵がそのまま示談交渉までしてくれるのですか?」 という質問です。
結論から言うと探偵が示談交渉を代理で行なうことには法的な制限があります。この点を正しく理解しておかないと後になってトラブルになったり本来得られるはずの慰謝料などを十分に得ることができなかったりするなど不利益が生じる可能性があります。
今回は 探偵と示談交渉の関係について解説します。
示談交渉とは?
示談交渉とは当事者同士が話し合いを行い損害賠償や慰謝料、支払い条件、今後の接触禁止などについて合意する手続きのことです。
典型的な示談内容
主な示談内容としては主に以下の内容です。
- 慰謝料の金額
- 支払期限
- 分割払いの可否
- 接触禁止条項
- 口外禁止条項
- 今後の関係についての取り決め
単に「話を伝える」だけではなく法的な権利義務を調整する行為が含まれます。
探偵は示談交渉を代理できるのか?
ここが最も重要なポイントです。探偵が相手方との示談交渉を代理で行なうことは原則としてできません。理由は弁護士法にあります。報酬を得る目的で法律事件について交渉や和解などを行なうことは基本的に弁護士しかできない業務とされているためです。
たとえば次のような行為は注意が必要です。
- 慰謝料の金額を相手と交渉する
- 支払い条件を決める
- 示談書の内容を調整する
- 代理人として相手と交渉する
これらは法律事務に該当する可能性が高く探偵が行なうと非弁行為になる場合があります。
しかし探偵は何もできないわけではなく探偵にしかできない重要な役割があります。
探偵が担う役割
探偵の役割は交渉ではなく調査です。
- 事実関係の調査
- 証拠収集
- 対象者の行動確認
- 写真や動画による記録
- 報告書の作成
- 弁護士へ提出できる資料の整理
特に浮気・不倫案件では 「交渉の前に証拠を確保すること」が極めて重要です。証拠が不十分な状態で示談を持ち掛けると相手に否認されたり慰謝料請求が難しくなったりするケースもあります。
つまり最も効果的なのは探偵が証拠を集め、その後、弁護士が示談交渉を行なうという流れなのです。
「示談までできます」という探偵には注意
中には 「慰謝料交渉まで全部お任せください」と宣伝している業者もあります。しかし、実際にはどこまでが調査で、どこからが法律事務なのかが非常に重要です。
確認したいポイントは以下の通りです。
- 交渉は弁護士が担当するのか
- 提携弁護士がいるのか
- 示談書は誰が作成するのか
- 追加費用の有無
- 違法な交渉行為をしていないか
依頼前に必ず確認することをおすすめします。
探偵に相談・依頼するメリット
「最終的には弁護士に頼むなら最初から弁護士だけでいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、相談の段階では相手方の素性が不明だったり証拠が不足していたりすることが多いために慰謝料請求自体が難しいというケースが少なくありません。
探偵に相談・依頼するメリットは次の通りです。
- 写真等で証拠を収集できる
- 相手方の素性を調査できる
- 確固たる証拠が得られる
- 弁護士へ提出しやすい報告書を準備できる
- 感情的な行動を防げる
特に相手に直接連絡してしまう前に相談することで不要なトラブルを避けられます。
詳しく知りたい方へ
ここまで 「探偵は示談交渉を代理できるのか?」という点を中心に解説しました。実際には「どこまでが合法で」「どこからが違法になる可能性があるのか」を具体的に理解しておくことが大切です。また 浮気調査後に示談へ進む際の注意点や探偵と弁護士の連携についても知っておくと依頼後の流れがより明確になります。
探偵による示談交渉の可否や法律上の注意点については下記の記事でさらに詳しく解説しています。
「不倫相手との示談交渉も探偵さんに頼めばやってくれるの?」探偵に聞いた⑦

